奈良における福音宣教は、1873(明治6)年の禁教令以来はじめて、1880年パリ外国宣教会のクザン神父によって奈良巡回布教がはじまりました。
1904年奈良市高畑(現在菩提町・右地図の1番)に仮聖堂が設立され、ワグネル神父が初代主任司祭として着任。翌年、高畑仮聖堂にて奈良教会洗礼台帳第一番のステファヌス三沢岩太郎氏がワグネル神父より受洗しました。この時から数えて2005年奈良宣教百周年記念祝典を盛大に行いました。
その後、教会は高畑から東向中町(現在の行基菩薩の辺り・右地図の2番)、さらに東寺林町(右地図の3番)、小太郎町(右地図の4番)、東城戸町(右地図の5番)と転々とし、1932年奈良市登大路(現在県立美術館・右地図の7番)に奈良天主堂(下写真)が完成しました。
教会の建物は、すぐ近くにある奈良公園や興福寺などの風景にとけ込むよ
うに工夫され、古都奈良にふさわしい建築で、塔の上にある十字架には水煙がつけられ、聖堂内部は百畳程の畳敷きという純和風の造りでした。